フリーランス(個人事業主)の「税金」事情

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フリーランス(個人事業主)の「税金」事情

今は会社員でも「いずれはフリーランスに」という方も多いのではないでしょうか?
あるいは、すでに個人事業主として独立されていて、事業が軌道に乗り、ゆくゆくは法人化を考えている方もいらっしゃると思います。

しかし、「正しく確定申告ができるか心配……」「本当に法人になるべきなのか?」といった不安を抱えている方も多いでしょう。

そこで今回は、フリーランスになりたての方が知りたい確定申告のお話、節税の面から見たフリーランスと法人のメリット・デメリット、法人化のタイミングやその基準となるポイントなどをご紹介します。

<目次>

個人事業主と法人の税金はこんなに違う

下記の表は、フリーランス(個人事業主)と法人のそれぞれが「どんな税金を納めるのか」を示した表です。まずは両者の違いをざっくりと把握しましょう。

  フリーランス(個人事業主) 法人
税金
  • 所得税
  • 個人住民税
  • 個人事業税
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
所得税
  • 所得(個人の1年間の儲け)にかかる
  • 所得=給与ではないので「給与所得控除」は0円
  • 累進課税なので儲けが多ければ増える
  • 青色申告特別控除(65万円)は適用される

所得税の速算表」を参照

  • なし
  • 社長個人の所得には累進課税でかかるが、所得控除あり

所得税の速算表」「給与(収入)と給与所得控除額の表」を参照

法人税
  • なし
  • 会社の所得にかかる
  • 資本金1億円以下の法人
    →課税所得の800万円超の部分×23.9%
    →課税所得の800万円以下の部分×19%
  • 平成27年4月1日以降に開始する事業年度に適用
  • 資本金1億円超の法人
    →課税所得×23.9%
  • 平成27年4月1日以降に開始する事業年度に適用
  • 「中小企業者等の法人税率の特例」を適用した場合
  • 資本金1億円以下の法人
    →課税所得800万円以下の部分×15%
    (平成27年4月1日~平成29年3月31日まで)
住民税
  • 「道府県民税」と「市町村民税」のこと
  • 個人住民税は「所得割」と「均等割」の合計
  • 前年の確定申告をもとに算出されるので申告不要
  • 所得にかかる「所得割」と、公平な「均等割」がある
  • 所得割
    →「所得×10%(一律)-税額控除額」なので所得額によって増減する
  • 税率は一部市町村で例外あり
  • 均等割
    →「都道府県民税+市区町村民税」なので所得額と関係なく納税する
  • 各自治体で異なる
  • 法人都道府県民税」と「法人市町村民税」のこと(東京23区の場合は「法人区民税」で一括課税)
  • 法人住民税は「法人税割」と「均等割」の合計
  • 法人税割
    →「法人税×住民税率」なので儲けが多ければ増える(前期が赤字の場合は納税の必要なし)
  • 均等割
    →法人都道府県民税は「資本金額」、法人市町村民税は「資本金額と従業員数」に応じて課税なので公平(前期が赤字でも納税の必要あり)
  • 法人税割の住民税率と均等割の税額は都道府県・市区町村により異なる
事業税
  • 個人の事業所得にかかる(地方税)
  • 前年の確定申告をもとに算出されるので申告不要
  • 個人事業税は「個人事業税の課税所得×税率」で算出
  • 個人事業税の課税所得=事業所得・不動産所得-必要経費-事業主控除290万円
  • 税率は業種により3%、4%、5%のいずれかが適用
  • たいていの業種が5%
  • 所得が290万円までであれば免税
  • 青色申告特別控除(65万円)が適用されない
  • 会社の所得にかかる(地方税)
  • 法人事業税は「課税所得×法人事業税率」で算出
  • 課税所得の大きさで税率が3段階に区分される
  • 課税所得400万円以下
    →標準税率3.4%
  • 課税所得400万円超~800万円以下
    →標準税率5.1%
  • 課税所得800万円超
    →標準税率6.7%
  • 資本金1億円以上の会社は「外形標準課税」も課される
■所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
所得が290万円までであれば免税 5% 0円
195万円超~330万円以下 10% 97,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,500円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円
900万円超~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円
  • 平成27年分以降。
  • 平成26年分までは上記表の最下段を抜く6段階。
■給与(収入)と給与所得控除額の表
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
控除額
180万円以下 収入金額×40% ※最低65万円
180万円超 収入金額×30%+18万円
360万円超 収入金額×20%+54万円
660万円超 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 収入金額×5%+170万円
1,200万円超 上限230万円
  • 上記表は平成28年分。
  • 平成29年分は、給与等の収入金額1,000万円超で上限220万円が最下段。

確定申告をする前に知っておきたいこと

確定申告って何?

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、おさらいとして、確定申告とは何かについてお話しします。
簡単にいえば、自分で計算した「所得」と「税額」を税務署に申し出て、納税額を確定させるのが確定申告です。ここでいう「所得」は、確定申告を行う前の1年間(1月1日~12月31日)で得た、いわゆる「儲け」を指します。

POINT所得の求め方

収入(売上)-経費=所得

基礎控除が38万円なので、求めた所得が38万円を超える場合は、必ず確定申告をしなければなりません。確定申告の方法には「白色申告」と「青色申告」の2種類があるので、いずれかの方法を選択して納税します。では、白色申告と青色申告にはどのような違いがあるのでしょうか?

「白色申告」と「青色申告」について

白色申告とは?

所得が20万円以上で、青色申告をしていない方が行う申告方法です。単式簿記なので記入が比較的簡単で、申請手続きや期限がないため、手間のかからない方法といえます。ただし、後述する青色申告の特別控除は受けられません。平成26年から「帳簿への記帳」と「帳簿等の保管(期間5年~7年)」が義務化されています。

青色申告とは?

取引の状況を正確に帳簿に記入し、所得と税額を申告する方法です。これを利用する場合は、適用を受けたい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておかなければなりません。新規に事業を始める場合は、開業から2カ月以内に届け出ます。
青色申告には「単式簿記」と「複式簿記」があります。単式簿記は白色申告と同じくシンプルな記入で済みますが、複式簿記は「貸借対照表」と「損益計算書」を申告書と併せて提出する必要があるため、手間がかかります。ただし、単式簿記で受けられる所得控除額が10万円であるのに対し、複式簿記は65万円というメリットがあります。

「白色」と「青色」どっちがいいの?

白色申告は青色申告に比べて記入が簡単で事前申請も不要なので、「節税に力を入れるほど所得が多くない」という方に向いているといえます。
一方、青色申告には10万円もしくは65万円の所得控除を受けられるほか、家族や親族を「青色事業専従者」として届け出ることでその給与を制限なく経費にできること、その年の赤字を翌年以降3年間繰り越して黒字と相殺できること、といった複数のメリットがあります。
「手間をかけないこと」と「高い節税効果」のどちらが有利なのかを判断し、白色か青色かを選択しましょう。

「白色申告」と「青色申告」の違いやメリット・デメリットについては、「知っているようで知らない、白色申告・青色申告」で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

初めての確定申告のポイント

ここでは、初めて確定申告を行う方が「知っておくべきポイント」をいくつかご紹介します。

確定申告に必要な書類って何?
白色申告
「収支内訳書」と「確定申告書B」が必要です。収支内訳書には、売上・経費・売上先・仕入先などを記載します。確定申告書Bには、事業収入・所得控除・源泉徴収税額などを記載し、添付書類台紙に源泉徴収票や各種控除関係書類を貼って提出します。
青色申告
「所得税青色申告決算書」と「確定申告書B」が必要です。所得税青色申告決算書は、損益計算書、損益計算書の明細書、貸借対照表で構成します。確定申告書Bは、上述の白色申告と同じです。

収支内訳書と所得税青色申告決算書には「一般用」「農業所得用」「不動産所得用」があるので
注意しましょう。

確定申告の提出書類はどこでもらうの?

税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードできます。前者の場合は所管の税務署でなくても問題ありません。

いつまでに提出すればいい?

たとえば、2015年1月1日~12月31日の分は、2016年2月16日~3月16日の期間に提出する必要があります。

どうやって提出すればいい?

下記に示す3つの提出方法があります。

税務署に持っていく
自分で所管の税務署の窓口に直接持っていきます。
郵送する
「郵便物(第一種郵便物)」か「信書便物」として送付します。これら以外の荷物扱いでは郵送できないので注意しましょう。
ネットで提出する
国税電子申告・納税システム「e-Tax」から提出します。「e-Taxソフト」やカードリーダーなどの専用ソフトが必要で、電子証明書や開始届出書を事前に準備しなければなりません。

法人になっても得をするとは限らない!

まずは、主に節税面から見たフリーランス(個人事業主)と法人のメリットとデメリットを簡単にご紹介します。

■フリーランス(個人事業主)
メリット デメリット
  • 開業・廃業時に費用がかからない
  • 会計や税務の事務処理が簡単
  • 赤字であれば住民税の所得割を納める必要なし
  • 従業員が5人未満であれば社会保険への加入は強制ではない
  • 経費にできる交際費に上限がない
  • 開業1年目は消費税が免除される

など

  • 赤字の繰り越しが3年まで
  • 決算日を自由に決められない
  • 経営者の給与所得控除がない

など

■法人
メリット デメリット
  • 経営者の給与を経費にできる
  • 家族などに所得を分散させて所得税を抑えられる
  • 退職金を費用にできる
  • 保険の種類によっては全額経費にできる
  • 赤字を9年間繰り越せる
  • 資本金1,000万円未満なら設立1年目は消費税が免除される

など

  • 会計や税務の事務処理が複雑
  • 赤字でも法人住民税を納付しなければならない
  • 従業員を雇う場合は必ず社会保険に加入させなければならない
  • 経費にできる交際費に上限がある

など

結局、節税効果が高いのはどちら?

節税の観点でいえば、法人のほうが節税効果は高いといえます。ただし、どんなフリーランス(個人事業者)でも、今すぐに法人化すれば節税できるというわけではありません。

たとえばフリーランスの場合、課税所得が多ければ所得税もどんどん上がる仕組みになっています。上に示した「所得税の速算表」からも分かるように、個人の所得に対しては7段階の税率が用意されていて、税率は最高で45%です。これに対し、法人税は最高でも税率23.9%。つまり課税所得が大きければ、法人であるほうが節税効果は高いということになります。

もちろん、節税面のほかにもフリーランスと法人の、それぞれのメリット・デメリットは存在します。詳しく知りたい方は、ぜひ「法人成りするメリット・デメリット」もご覧ください。

法人化するべき基準ってあるの?

法人化を考えるうえで大きな目安になるのが「売上高」と「課税所得額」の大きさです。繰り返しますが、個人と法人では税率が異なります。個人の場合は所得が多ければ多いほど税額も上がる累進課税なので、ある一定の額を超えると、法人化したほうが納税額を抑えられることになります。また、「消費税の免税」という観点からも、法人化を考えるべきタイミングがあります。その基準となる金額が、売上高1,000万円、課税所得額500万円です。

売上高1,000万円を基準とする理由

個人事業を開業して1年目は、消費税が免除される「免税事業者」です。これに対し、消費税を支払う事業者を「課税事業者」といいます。課税事業者になる要件は、「2年前の課税売上高が1,000万円を超える」か、「1年前の1月1日~6月30日までの課税売上高が1,000万円を超える」場合です。
免税事業者から課税事業者に変わるときが法人化のタイミングということになりますが、その理由は、資本金を1,000万円未満とすれば法人を設立して最初の1年間は、再び消費税が免除されるからです。条件によっては2年目も消費税が免除されますが、ここでの説明は省略します。詳しくは「起業から2年間、消費税が免除される方法」をご覧ください。

課税所得額500万円を基準とする理由

現在の法人税率は、課税所得800万円超の部分が23.9%、課税所得800万円以下の部分が19%です。これに対し、個人の所得税には最低5%~最高45%までの累進課税が適用されます。つまり、課税所得が小さければ個人事業者のほうが得をしますが、大きければ法人化したほうが節税できるということになります。そのおおよその目安が500万円というわけです。

会社を設立するときに検討すべきポイント

最後に、実際に法人化を決め、いざ会社を起業するときに重視したいポイントをいくつかご紹介します。

社名を決める

経営者が「良い」と思った名前をつけましょう。しっくり来る名前であれば、気持ちの面でも良いスタートダッシュが切れます。ただし留意したいのが、将来的に業種が変わる可能性です。もし、その可能性があるなら、特定の業界でしか見られないような単語は使用を控えましょう。

資金計画を立てる

個人事業が軌道に乗ってから法人化される方が多いので、ゼロから起業する方ほど多くの苦労はないと思いますが、余裕があったとしても、開業資金だけでなく運転資金を見越した資金調達計画を立てることが大切です。どの金融機関からお金を借りるか、どんな助成金や補助金があるのかなどを事前に確認しましょう。

場所を選ぶ

特に飲食店や小売業にいえることですが、立地は売上と大きく関係します。近くの競合店やターゲット層のリサーチを十分に行いましょう。開業の3カ月前までには不動産契約を結び、電気・水道・ガス・インターネットなどの開通手続きを終えておきたいところです。

広告宣伝に備える

会社の名刺、ロゴ、案内、あいさつ状、ホームページ、印鑑など、開業を知らせるツールの準備は必須です。必要・不要なツールを判断し、なるべく早めに用意しましょう。

ビジネスパートナーを見つける

計画通りに進めているつもりでも、開業間近にほころびを見つけては手遅れです。心配な方は、開業支援サービスを提供している税理士に相談しながら起業準備をする手もあります。もちろん費用はかかりますが、準備段階からサポートを受けることで税理士の会社への理解度が深まるだけでなく、後々見つける手間も、新たな信頼関係を構築する手間も省けます。

上記のほかにも、従業員の雇用や各種手続きに必要な書類の提出など、法人化には多くの「やるべきこと」があります。いざ法人化してみると、日々の業務に負われ、なかなか税務に気を配れないのも事実です。「節税を狙ったはずなのに税務に手が回らない…」という状況に陥る社長さんもいますが、どうしようもない状態になってからでは、税理士にもできることは限られます。「節税に力を入れたい」「自分たちだけでは不安だ」という方は、早めに税理士に相談することをおすすめします。

決算書を詳しく知ろう

法人税等の申告書作成のポイント

法人税申告を行うためには、以下のような書類を作成する必要があります。
これら書類の作成ページでご紹介する要点を押さえて、申告書を読むための一助にしていただければと思います。

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