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銀行や税務署が見るポイントを詳しく解説、正しい「決算報告書の書き方」‐税理士が教える

2015/08/24

経営者が一年に一度、年間の事業の財務状況を報告する「決算報告書」。
これは、会社の通知表のようなものです。学校の通知表と大きく違うのは、学校のそれは教師が生徒評価するのに対し、決算報告書は経営者もしくは会社が自ら作成し、株主や金融機関、税務署などに評価されるものであるということです。この決算報告書は、いつ、なぜ、どのように作成するものなのでしょうか。

<目次>

決算報告書に記される内容

株式会社は、決算の後で株主総会を行い、ここで株主の承認を受けるために決算報告書の内容を報告します。上場企業であれば決算報告書の開示は義務であり、中小企業でも一定以上の持分比率の株主へは開示義務があります。
決算報告書は会社それぞれの期末に作成します。融資を行う銀行は、この決算報告書をもとに可否を判断し、税務署ではこの決算報告書から税務上の所得計算を行い、決算利益が正しいかどうかの判断をします。
決算報告書は、さまざまな書類の総称をいいますが、なかでも重要視されるのは「貸借対照表」と「損益計算書」です。
貸借対照表には事業資金をどのように調達し、どのように運用したのかが記され、資金が健全であるかどうかが判断されます。損益計算書には、売上や売上原価、経費などが記載され、さらに5種類の利益が記載されています。まずは、売上から売上原価を引いた「売上総利益」、さらに営業経費を引いた「営業利益」、財務損益を引いた「経常利益」、特別損益を引いた「税引前当期純利益」、税金を引いた「当期純利益」です。このなかで当期純利益は、税金の計算のもとになるものです。このことからも、決算報告書と税務申告は切っても切れないものといえます。

銀行が見るポイントは会社の安定性

金融機関が決算報告書を見るのは融資判断を行う際で、メインとなるのは貸借対照表です。貸借対照表には事業資金をどのように調達し、そしてそれをどのように運用したのかが記され、資金が健全であるかどうかが判断されます。自己資本はいくらか、借入金はいくらか。調達された資金で運用されるものを資産といいますが、例えば売掛債権や商品在庫などの額が大きい場合は、結果的に経営を圧迫することにもなりかねません。
貸借対照表で銀行が最も注視するのは「自己資本比率」。一般に、返済の必要がない自己資本が多い会社ほど、安定した会社であるといえます。貸借対照表の自己資本比率が30%以上であれば倒産しにくい会社として融資も受けやすくなるでしょう。比率が低ければ運転資金を借り入れに依存しているということになり、融資を受けられる可能性も低くなります。
自己資本の量は貸借対照表を操作して多く見せることはできませんが、利益剰余金を増やす、固定資産や売掛債権、商品在庫を極力少なくするといった資産額を減らす対策で、比率を高めることができます。
また、決算の内容がいいとはいえない場合、ケースバイケースですが、それが「問題ないといえる根拠」を付け加えることを考えてもいいかもしれません。

税務署が見るポイントは「特別な動き」

税務署では、提出された税務申告書と決算報告書の中身を精査し、決算利益が正しいかどうかを判断します。毎年の損益計算書と貸借計算書は細かく分析され、それらが税務調査の判断材料となるのです。会計処理基準に沿って作成することはもちろんのこと、重点的にチェックされる項目を押さえておくことが重要です。
税務署がまず確認するのは「決算報告書の不備」「前期と比較した変動具合」「同業他社との比率」。決算報告書は二期比較といって、必ず前期と比較して検証されます。経費が増加しているのに収入が増えていない場合などは、税務署から疑問を持たれてしまいます。架空計上は論外ですが、きちんとした理由があれば問題ありません。理由がわかるような証拠書類は確実に保存しておいてください。また、同業他社との比率に差がある場合は、仕入れ量の操作や収入の操作を疑われます。こちらもきちんとした証拠書類を保存しておけば問題にはならないでしょう。
このほか、固定資産の売却や貸倒損失金の計上など、特別な損失もよくチェックされるポイントです。税務署は損益計算書の当期利益から課税所得の算出、税額計算まで、ささいな計算間違いであっても厳しく追求します。作成者以外にもダブルチェックを行うなどして、細部まで確認しておきましょう。

まとめ

以上で説明した「銀行が見るポイント」「税務署が見るポイント」を踏まえて決算報告書を作成しましょう。金融機関と銀行、どちらか一方だけを意識して作成しても、それは「いい決算報告書」とはいえません。また、決算報告書には決まった書式がないので、各自書類を作成することになります。重要な箇所を押さえておけば、テンプレートもつくりやすくなります。
決算報告書は株主総会や銀行、税務署に見せるものと思われがちです。しかし、決算報告書は会社の財務状況が把握できる重要な書類であり、正しく作成して経営者自ら数字の分析を行えば、今後の経営にも役に立つでしょう。

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