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【税理士が教える】「企業に合った税理士」の選び方

2015/08/16

起業したての人のなかには、どんなことを念頭に置いて税理士を選べばいいかわからないという人もいるかと思います。また、すでに経営者として活躍されている社長さんのなかにも、現在顧問契約を結んでいる税理士に不満を持っている人がいるのではないでしょうか。
今回は、企業に合った税理士と出会うために、あるいは現在契約している税理士が企業に合った税理士なのかを判断するために、意識したいポイントをご紹介します。

<目次>

  • 税理士選びの事前準備
    • 税理士に求めることをはっきりさせる
    • 料金だけで不満を持つのは間違い
    • 税理士の得意分野を知ろう
    • ホームページに税理士の得意分野が表れているか
  • 税理士選びのよくある間違い
    • 税理士事務所の大きさは関係ない
    • 税理士本人に毎月訪問してもらう必要はない
    • ベテランと若手に良し悪しはない
    • 本を出している税理士がよい税理士とは限らない
  • 税理士を選ぶためのポイント
    • 最も重要なのは税理士との相性
    • わからないことを、わかりやすく説明してくれるか
    • レスポンスが遅い税理士はダメ
    • IT環境を整えていない税理士はダメ
    • 偉そうな税理士は時代遅れ
    • 業界の事情をちゃんと知っているか
  • まとめ

税理士選びの事前準備

税理士に求めることをはっきりさせる

税理士を選ぶとき、経営者が税理士に「何を求めるか」を不明瞭にしたままではいけません。ここでいう「求めること」とは、税理士の業務内容です。見た目の清潔さや性格などもマナーとして大切ですが(相性の重要性については後述します)、まずは、どんな業務をどのように行ってほしいのか、というニーズをはっきりさせましょう。それが大雑把だったり曖昧だったりすると、当てずっぽうで税理士を選ぶことになってしまいます。

料金だけで不満を持つのは間違い

たとえば、ある経営者の顧問契約料が月7万円だとします。その人は今まで税理士に不満を持ったことはありませんでしたが、知人の話を聞くと月4万円で契約しているといいます。金額だけ見れば、たしかに7万円は高いと感じるでしょう。
しかし、この時点で変更を考えるのは早すぎます。重要なのは、税理士がどんな仕事をしているかです。2人の税理士の仕事内容がまったく同じだとしたら不満はもっともですが、7万円の税理士の仕事のほうが丁寧で早く、さらに頻繁に会社に通ってくれて、経営に有用な話題を提供してくれるような人だったら、その差額は問題ではありません。
ここで新たな税理士を雇ってしまい、以前の人よりも会社にフィットしなかったことを考えると、料金だけで税理士を判断するリスクが大きいことは明らかでしょう。

税理士の得意分野を知ろう

税理士に専門分野というものはありませんが(特定の業種に対象を絞っている税理士はいます)、得手不得手な分野はあるといえます。
それを判断する材料のひとつが税理士試験の科目です。税理士試験は、必須2科目(「簿記論」「財務諸表論」)、1科目か2科目の選択必須科目(「法人税法」「所得税法」)、1科目か2科目の選択科目(「相続税法」「酒税法」「消費税法」「固定資産税法」「事業税」「住民税」「国税徴収法」)の計11科目から5科目を受験する仕組みです(※)。

たとえば、ある経営者が顧問税理士に対して個人的な相続の仕事をお願いしたとします。ところがその税理士は受験の際、「相続税」を選択していませんでした。
この場合、この税理士には依頼するのが正解だとはいえません。もちろん「資格取得後に勉強した」「相続の仕事ばかりやっていた」など、受験後に相続に関する知識を身につけている可能性も大いにあります。

重要なのは、仕事を依頼する前に税理士の得手不得手な分野を確認するということです。税理士のなかには律儀に「この分野に精通していない」と言ってくれる人もいるでしょうが、そうした人ばかりではありません。自ら不得手な分野を教えてくれて、さらに別の税理士を紹介してくれるような人は、よい税理士であるといえるでしょう。

※選択科目のうち、「酒税法」と「消費税法」、「事業税」と「住民税」は、いずれか1科目ずつしか受験できません。

ホームページに税理士の得意分野が表れているか

多くの税理士事務所が自社のホームページを持っていますが、ここでチェックしたいのは、税理士の得意分野がはっきりと示されているかどうかです。得意としていることが明確であれば、顧客にとってもニーズに「合う」「合わない」の判断が容易になります。
また、どれくらいの料金が発生するかの目安が掲載されているとなおよいです。もちろん、得意分野が同じで、ほかの税理士と同程度の料金であることもあります。そうした場合は、なぜこの料金なのかを税理士本人に聞いてみましょう。それは、「この料金でないと丁寧な仕事ができない」といったポジティブな理由だけでなく、「これより低い料金の顧客とは契約したくない」といったネガティブな理由も考えられるためです。

税理士選びのよくある間違い

税理士事務所の大きさは関係ない

まず、税理士事務所が都市部にあるのか、地方にあるのかによって「規模」の捉え方が異なることを念頭に置きましょう。都心では従業員20人が「小規模」でも、地方の都市では「大規模」になることがあります。
大きい事務所のメリットは、税理士を多く抱えているため経営が安定している点です。一方、小さい事務所はフットワークの軽さがメリットといえます。
ただ、いずれにせよ税理士にどんな仕事を求めるかが重要になるため、税理士事務所の大きさは、会社に合った税理士を選ぶうえでは問題にはなりません。

税理士本人に毎月訪問してもらう必要はない

結論からいうと、「毎月訪問してくれない税理士は顧客を大事にしていない」ということはありません。ここに不満を持つ経営者もいますが、そういう人は「毎月訪問してくれること」を明確に求めているわけですから、その条件に合った税理士を雇えばいいのです。
税理士本人が訪問しなくても、事務所の職員は来るはずです。その人に経験があり、しっかり仕事をして、持ち帰って、税理士に報告してくれさえすれば問題はありません。

ベテランと若手に良し悪しはない

若手税理士にはエネルギーがあり、顧問先と一緒に成長していきたいという志を持っています。また、独立したばかりで、将来に向けて意気込みを持っている人もいるでしょう。デメリットは、経験が少ないため、税務調査時の調査官とのやり取りに不安がある点です。
一方、ベテランは経験と知識が豊富な点がメリットです。若手とは対照的に、調査官への対応の仕方も心得ています。さらに、経営に関するコンサルティング的役割も期待できるでしょう。ただし、若手に比べると料金は高めであるといえます。また、ITの知識に劣っている点もデメリットです。
ただし、これらのメリットとデメリットはあくまで一般論です。ベテランにせよ若手にせよ、大切なのは自分のニーズに合った税理士を選ぶことになります。

本を出している税理士がよい税理士とは限らない

税理士が本を出版していること自体は、自分のノウハウを世に広めたいと考えた結果だと思われるため、むしろよいことです。
また、本は税理士の「合う」「合わない」を決める判断材料のひとつになります。契約を考えている税理士が本を出版していたら、ぜひ読んでみてください。もしも「内容が頭に入ってこない」「求める人と違うタイプかもしれない」と思ったら、その税理士との契約は考え直すべきでしょう。当然のことですが、本を出しているからといって、経営者にマッチするわけではないのです。

税理士を選ぶためのポイント

最も重要なのは税理士との相性

税理士としての能力がどんなに高くても、相性が悪ければ、円滑に進むはずの仕事も無駄なやり取りで遅れてしまう可能性があります。限定的なサービス(記帳だけ依頼するなど)をお願いしたいという場合は別ですが、会社を成長させていくうえで、ゆくゆくは経営上の助言もしてもらいたいと考えているならば、相性は重要でしょう。
相性を確かめるためには、やはり実際に会って話してみるのがベストです。電話やメールだけではいけません。

わからないことを、わかりやすく説明してくれるか

経営者のほとんどは、会計や税務に詳しくないといっていいでしょう。そのために専門家がいるのです。
しかし、専門家であるがゆえに、税理士は難しい専門用語を口にしてしまうことがあります。このとき、経営者は恥ずかしがらずに、それがどういう意味の用語なのかを聞きましょう。会計や税務に詳しくない経営者に対し、どれだけわかりやすく説明してくれるかという点は、よい税理士を見分ける大きなポイントになります。
経営者にわからないことを、税理士にわかりやすく説明してもらう。これを繰り返すうちに、経営者にも会計や税務に対する知見が溜まっていきます。わかりやすく説明できない税理士を雇っている経営者に比べて、有益なやり取りをしているということは明らかでしょう。ただし、「わからないことをちゃんと聞く」という経営者の姿勢も大切になります。

レスポンスが遅い税理士はダメ

たとえば税理士に質問したいことがあり、連絡を入れたとします。そこから24時間以内(遅くとも翌日中)に折り返しの連絡がなければ、その税理士はお薦めできません。税理士はサービス業であるという認識に欠けているか、本当に忙しいのだとしても、顧客に対応するシステムが構築されていないという点で問題があります。
レスポンスの速さは大前提ですが、すべての問いかけに即答する税理士も危険です。簡単な案件でない場合、よい税理士は時間をかけて調べてくれるはずです。
連絡に応じるまでが速く、話の内容(重要性)によっては慎重に答えてくれるような税理士であれば問題ありません。

IT環境を整えていない税理士はダメ

ネット全盛のこの時代では珍しいですが、IT環境を整備していない税理士もゼロではありません。「メールではなくFAXで連絡してくる」「記帳が手書きだけ」「顧問先の会計ソフトを事務所と同じものに変えさせる」といった対応をする税理士は、顧客のために仕事をしている感覚を持っていないといえます。もしもこのような税理士と契約している場合は、すぐに新しい税理士を見つけるのが賢明です。

偉そうな税理士は時代遅れ

税理士のなかには「先生」と呼ばれることで「自分は偉い」と勘違いしてしまっている人がいます。「社長が税理士事務所に足を運んでくれたのに何分も待たせる」「仕事の自慢話ばかりする」といった税理士は、顧問先がお客様だという認識が薄く、経営者にとってメリットになりません。
よい税理士であれば経営に関する助言をしてくれたり、顧問先の業界に関する最新ニュースを持ってきてくれたりするものです。偉そうな税理士よりも、顧問先を支えるという意識を持った税理士をパートナーにしたいところです。

業界の事情をちゃんと知っているか

それぞれの業界には異なった特徴があります。なかには明文化されていないような、経験から理解するしかない慣習のようなものもあるでしょう。顧問先に適切な助言を行うためには、税理士が業界の事情を把握している必要があります。
たとえば、同業他者の顧問先を多く抱えている税理士は、それだけ業界について詳しく知っているといえるでしょう。

また、税務調査時、業種によって調査官がチェックする部分が異なりますが(※)、業界に詳しい税理士であれば、この辺りの対策もしっかりしているはずです。もちろん、業界に詳しいだけでなく、税務署の指摘にしっかりと根拠を示してくれるような税理士であれば、なおよしです。

※たとえば、飲食業では「従業員が実在するか」、建設業では「完成工事と未完成工事がしっかり分けられているか」などがチェックされやすい部分です。

まとめ

税理士の選び方は、経営者の求めることによって千差万別といえるでしょう。もしかすると、現在不満を抱いている顧問税理士が、別の経営者にとってはベストパートナーになるということもあるかもしれません。

最後にもうひとつ、企業に合った税理士を選ぶうえで重要なことを紹介します。
最も重要なのは相性であると先に述べましたが、これは、税理士目線からも同じことがいえます。つまり、上から税理士を品定めするのではなく、経営者自身も税理士にとってのよきパートナーになろうと努めることが大切なのです。

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