法人税の節税ワンポイント



法人税申告での節税のワンポイントを挙げました。節税対策の参考にご覧下さい。
※ 文中においては、私見もありますことをご了解下さい。
※ 文章は説明を簡易にするために、法令上正確性を欠く書き方をしています。


  
事業年度変更と節税 (第1期目に青色申請の期日が間に合わなかった場合)


設立法人でよく青色申請の届出期日を忘れる方が見られます。第1期から青色申告を適用するためには設立後3ヶ月以内に青色申請を税務署に提出しないといけません。2期以降は適用事業年度開始の前日までが期限です。
もし、1期の申告時に申告といっしょに提出しますと、3期から青色適用となりますのでご注意を。
青色申告ができないと赤字の繰越控除ができないため、2期以降の税金がまるで変わってしまいますし、マル経融資などは青色申告を前提としているなど大きな痛手となります。
そこで開業後3ヶ月を過ぎて青色申請を出し忘れたなら、事業年度の変更を検討してみましょう。つまり、第1期の途中で事業年度を変更し変更後の事業年度前に青色申請(さらに異動届出も)を出せば、変更後の第2期から青色とすることは可能なのです。事業年度の変更には定款の変更とともに議事録の作成が必要ですが、登記の必要はありませんので、特段の費用もかからず手続き自体が簡単です。(ただし、短縮された1期の申告は2ヵ月後にありますことも忘れないでください。)
また、当期の途中で大幅な売上増が見込まれる際にも早めの事業年度変更は有効です。売り上げ増加の分を翌期に回せるため節税対策の時間的余裕が生まれるからです。役員給与は期中の変更ができませんが、新たな事業年度になれば変更ができますから。また、他の節税策を講じられる時間が生まれますよ。



  少額減価償却資産と一括償却資産の償却

期末資本金が1億円以下の青色申告をしている会社では取得価額が30万円未満の減価償却資産について、損金経理を要件に全額取得時の経費にすることができます。これを少額減価償却資産の即時償却といいます。
本来、10万円以上の減価償却資産については耐用年数に基づく減価償却が必要ですが、青色申告の特典として一時の償却が認められているわけです。(ただし、平成18年4月以降はこの即時償却は合計金額が300万円に達する部分の資産までとなっています。)
一方、、一括償却資産の償却とは、取得価額が20万円未満の減価償却資産について耐用年数によらずに一括して3年にわたり償却できる制度です。これは青色の要件がありません。
いずれも本来の耐用年数によらないで、即時か3年償却が可能な特例計算といえるもので経費の早期計上ができるメリットがあります。もちろん、一時に全部落とせる少額減価償却資産の即時償却が早期により多く経費を計上できます。
なお、固定資産税の償却資産の関係から言えば、少額減価償却資産の特例の場合は対象となり、一括償却資産の場合は対象となりません。この点も参考に検討してください。



  メールによる請求書などの印紙税の扱いについて

印紙税とは契約書や領収書などに貼付することにより納税する税金です。問題はどのような文書にいくら貼るべきかですが、なかなか難しい判断を要します。
国税庁 「印紙税一覧表」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/pdf/5020-18.pdf
電子文書の場合はどうでしょうか?
印紙税は紙に書かれた文書を前提としていますから、電子文書は課税されないことになります。つまり、メールで契約を交わしたり、領収書を発行したりする場合は、印紙税はいらないとなるわけです。張れませんですしね。
昨今メールでの請求書や領収書が多くなってきていますが、こんなことも一因しているかもしてませんね。
さて、印紙税を張らなかった時に課されるペナルティーはどうだと思いますか?なんと、必要な印紙税額の3倍なのです!ただし、契約自体は無効になるわけではありませんが、この追徴金額はホント驚きです。充分気をつけましょう。

 

  使用人兼務役員の活用

使用人兼務役員とは簡単にいえば、代表以外の取締役(代表の妻は除かれます)で他の使用人と常時同質な仕事をしている役員のこと。
該当すれば使用人としての給与支払も可能で申告上経費にもなります。つまり、その部分は「定期同額」の必要がなくなり、使用人分の賞与だって損金が可能となるものです。今まで使用人であった息子さんを取締役に昇格させる際に、この使用人兼務役員を活用する方法などいろいろな方法が考えられます。



  
決算締切日の特例の活用

売上の請求書が毎月、月まとめで20日や25日であったとしても、この締め後に納品が完了した場合は、この商品引渡し分もその月の売上となります。よく税務調査で指摘される締め後の売掛計上漏れの問題です。
しかし、一定の条件が満たされると特例により請求締めでもよい場合があります。
 決算日よりも早く売上を締めることができるので、大きな節税になる場合があります。ただし、次期以降も継続することが要件ですから、節税効果があるのは適用初年度のみ。締切日は決算終了日以前の概ね10日以内であることも要件です。 
現実の適用に当たっては上記以外にもいくつかの注意点があります。会計慣行上の簡便性から特例ができているので、それに沿った状況の整備も必要といえるでしょう。安易な適用で利益調整とみなされないよう気をつけてください。

 

  有姿除却を検討する

有姿除却とは、使用をやめた固定資産について解体や廃棄などを行わないでも除却処理をすること。期末の簿価を除却損として計上できるため、大きな損金計上が可能となる方法です。有姿除却ができる条件はその使用をやめ、今後事業使用の可能性がないことが明らかであることです。あいまいな条件ともいえますが、その分事実認定が重要になってきます。事実を立証できる状況証拠書類をしっかりと保存しておきましょう。
もちろん、単に使用を中止しただけではダメ。廃棄せず資産が残っているわけですから、将来も使用する見込みがない特殊事情を客観的に説明できる資料を保管していくことが大切です。

 

  消費税の免税事業者の還付申告と課税期間の短縮特例

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合は消費税の納税義務がないのですが、建物や多額の設備投資を取得する際にあえて消費税の課税選択を行い、消費税の還付申告を行うことができます。
その際に特に気をつけることは課税選択届出書の提出期限。適用事業年度の開始の日の前日まで、つまり前事業年度末までに届出を出さないと間に合わなくなるので注意しましょう。申告と一緒の提出では間に合いませんので。(個人であれば適用年度の前年12月末までです。)
ただし、適用事業年度に入ったら本当に諦めるだけかといえば、ひとつ残された方法があるのです。それは課税期間の短縮特例の選択という方法です。
具体例を挙げてみましょう。個人の場合ですと、仮に建物取得が20年8月だとして課税期間を3ヶ月に短縮する届出を課税選択届出と一緒に平成20年6月末までに提出します。
そうすれば、平成20年7月から3ヶ月ごとの課税期間となり、7月から9月の課税期間の申告で還付の手続きをすることができます。20年8月取得なので、還付に間に合うわけです。
もっとも、課税選択届出、課税期間特例選択届出ともに2年間の継続が義務付けられていますし、特例ごとに申告書を出す手間も大変です。
さらに
一旦届出を出したら短縮課税期間で2年間は申告義務が生じます。還付年は良くても、その翌年は不利なことにならないよう、トータルな判断と見極めが大切になります。

 

   交際費課税を低く抑える方法

期末資本金が1億円以下の会社で交際費の合計金額が400万円以下のときは、その1
0%が税務上の経費となりません。(400万円を越える部分は全額不可となります。)
この交際費課税制度に対し、「一人当たり5,000円以下の飲食費」については、一定の要件の下でこの課税計算から除外することができます。
この場合の相手方の範囲が重要ですが、専ら当該法人の役員や従業員に支出するものは対象にならず、接待の相手方である得意先等が1人でもいることが必要になります。また、この適用に際しては日時はもとより、接待の相手先、参加人数を記載した記録を保存することも大切。この際の書式自体は特に法定化されていませんので、簡易な表で記録しておけば大丈夫と思われます。

 

  機械等の取得には特別償却を検討する

期末資本金が1億円以下の青色申告をしている会社では、一定の要件に該当する160万円以上の機械及び装置などを取得したときは特別償却か税額控除のいずれかが適用可能になります。
特別償却とは減価償却費の割増でありその分課税利益が少なくなるので税金が安くなる制度。一方、税額控除とは法人税額から直接差引くことによりこれも税金を安くする制度です。
ともに状況によりかなりの税負担減が可能なものです。また、一定のリース取引にも適用があるなどでお得な制度です。但し、適用要件や計算方法などは細かで複雑ですので、専門家の判断が必要となります。