経理税務の相談事例FAQ

法人税申告に関するよくある相談事例を挙げました。規定の詳細はいずれも複雑で税理
の判断が必要になってきますので、参考にご覧下さい。
※ 説明内容には、私見も含まれていることをご了解ください。
※ 説明を容易にするため、法令上正確さを欠く説明箇所があります。



Q 株主決定の際の税務上の注意点は?


誰が会社の株式を持つか、つまり株主は誰かがなるかについては税務上も大変重要な問題となります。
例えば、株主等の3人(3グループ)以下で50%を超えると「同族会社」と判定されますし、社長(業務主催役員)関係グループが90%以上で一定の場合は「特殊支配同族会社」となります。
これらに該当した場合は税法上の特別の規制が出てきますので、株主を決定する際は税務上の規定も充分考えて決定する必要があります。役員給与関係などに直接影響するものですので、決して特別なケースに出てくる問題ではありません。
具体的な例をご相談いただければ検討をいたしますので、ご連絡下さい。


Q 役員決定の際の税務上の注意点は?


誰が役員になるかについても税務上大きな影響があります。代表1人で取締役会を設置しないこともできますし、家族や第3者を役員に加えることもも出来ます。しかし、親族で固めるか、第3者を加えるかで税務上の諸々の扱いが異なってきます。
また、法人税法の「役員」は登記上の役員より広く考えています。つまり登記されていない親族等も役員とみなされる「みなし役員」規定があります。例えば代表の奥さんなどは典型的な「みなし役員」です。みなし役員も役員ですので、給与は役員給与としての扱いとなり特別の制限がでてくるのです。
税法には「使用人兼務役員」と言う規定もあります。役員なのですが、職正上使用人としての地位にある方、例えば取締役営業部長などが典型的なものです。この際の給与は役員としての分と使用人としての分の双方の支給が可能となります。支給方法には一定の決まりがあるのですが、節税的にも有効に活用できる制度です。


Q 役員給与を決める際の注意点は?


平成18年の税制改正により、役員給与の扱いが大幅に変わりました。一定の支給方法以外は申告上経費として認められなくなりました。例外として認められるものの内、「定期同額給与」についても複雑な規定がありますので注意が必要です。一例を言えば、給与を改定する際は
期首から3ヶ月以内の改定以外には一部の例外を除き税務上は経費として認められなくなります。原則として3ヵ月後の増額や減額は経費としては認められなくなりました。また、業務主宰役員の給与の規定、過大役員給与の規定などもよくありがちな問題です。
設立間もない会社で税務上問題となるものの大半はこの役員給与と思って間違いありませんのでご注意下さい。


Q 代表の給与の一定額が経費にならなくなる?


平成18年改正により、「特殊支配同族会社」に該当し一定の条件にあたる場合は業務主宰役員(一般的には社長)の給与のうち給与所得控除額相当分が税務上経費にならくなる制度ができました。
この
「特殊支配同族会社」の要件は持株と役員構成により決まり詳細は複雑です。また、「特殊支配同族会社」に該当しても一定の適用除外規定もありますので、双方含めた専門的判断が大切です。


Q 役員に渡切りの交際費などを支給しても大丈夫か?


「渡切り」とは仮払旅費などのように一切精算しない概算支給をいいます。精算しないので個別の経費内容が明らかにされず、実質の役員給与と判断される可能性が出てきます。しかも定期同額でなければ
税務上経費とならず、さらに給与であるため源泉税の対象ともなります。
なお、これと似たようなもので出張費の支給があります。出張が多い会社では旅費規程を設けて旅行距離や旅行者の地位などに応じた一定額を支給し、それが通常必要と認められる範囲のものであれば、精算なしでも大丈夫な場合もあります。これは社内規定により使途が判断できれば問題は出てこないケースとなります。


Q 役員からの借入金には利息をつけるべきか?


利息をつけなくても税務上は問題ないと思われます。役員個人側からすれば貸金業務を行っているわけではないのですから無償貸付けでも問題は出てこないですし、会社側が利息を支払わないことによる免除益の認定を受けたとしても支払利息の経費と相殺され、所得金額には変わりはないからです。当
然に役員個人側は利息を受け取っていない以上雑所得の課税もないといえるでしょう。ただし、利息を受け取って雑所得の申告をし、会社側で支払利息の計上をした方がトータルの税額は低くなる場合もありますので双方のケースの検討は必要でしょう。
なお、逆の場合で会社が役員に貸付をした場合は、通常の利息を徴収すべきですので、申告漏れのないようご注意ください。


Q 取締役議事録等で役員給の支給限度額を定めていないとのうなるか?


本来役員給与の決定は株主総会や取締役会の決済に委ねられるものですから、その内容の決議が必要になります。しかし、現実的に一人会社などは議事録の記載さえないケースも見受けられます。このことは商法上問題はあるとしても、税務上はどう見るのでしょうか。結論から言えば、株主総会や取締役会で役員給与の額を定めていない場合でもそれだけをもって税務上経費として認められないとはならないと考えます。
役員給与には過大分の損金不算入制度があります。この過大分の判定は形式基準と実質基準があり、形式基準では株主総会や取締役会の決議内容(議事録)との照合で支給限度額を超えていないかで判定するのが一般的です。この決議内容がない場合は実質基準で実態に即して判断されることとなります。また、決議内容がある場合でも実態に即して過大な場合は否認されることになります。つまり、実質基準が最優先され、形式基準は議事録等がある場合に判断される形となっているからです。
もっとも、税務調査を考えると後々の諸々のトラブル防止のためにも議事録の作成は行っておいたほうが無難なことには間違いはないです。


Q 従業員の期末賞与の未払い計上はできるか?


節税対策も兼ねて期末に従業員の未払賞与を計上することができます。これが認められる条件は次のとおりです。
全員に通知していること、期末後1ヶ月以内に支給すること、通知日の属する年度に損金経理をしていることです。役員は無理ですのでご注意を。


Q 事業税の経費算入日はいつが正しいのか?


事業税の損金算入時期は注意が必要です。
つまり、当期の確定申告にかかる事業税は申告書の提出年度、つまり翌期の損金になります。最も、中間申告分は申告日が当期中ですので当期の損金になります。


Q 交際費と会議費の区別は?


税務上の交際費はかなり広範囲に考えます。
得意先だけではなく、自社の役員や特定の従業員、下請け業者なども対象となり、内容も実態を重視して判断されます。交際費に該当すると一定額の損金不算入制度がありますのでその区分が重要となるのですが、特に会議費とのの区分はなかなか微妙なものが多いものです。
ただし、飲食に関しては社外の人が参加している場合で1人あたり5,000円以下であれば交際費としなくても大丈夫となりましたので、この制度を活用しましょう。証拠書類の整備には一定の決まりがありますので注意してください。


Q 短期前払費用の計上ができるものは?


賃借料や家賃などで期末に1年以内の短期前払いをした場合、処理の継続適用を条件としてその前払分も支出時の経費とすることができます。内容や契約内容等確認すべきことはありますが、
節税対策として検討するべき項目でもあります。短期前払費用でありますので、最大で11か月分が前倒しで経費に出来ることになります。


Q 修繕費か「資本的支出」か不明の場合は?


修繕費は支出時に全額経費となり、「資本的支出」は減価償却の計算が必要となるわけですが、この区分が明らかでない場合の形式基準があります。
60万円未満の支出か前期末の取得価額のおおむね10%以下の額なら修繕費としての経理処理が可能です。また、それ以外でも形式基準の特例を使った処理方法もあります。
また、平成19年の税制改正で減価償却計算が大きく変わりましたが、この「資本的支出」の扱いも大きく変わりましたので注意してください。


Q 平成19年の減価償却制度の改正について


成19年度の改正により減価償却制度が大きく変わりました。
法定耐用年数内に償却を完了させるために償却率や計算方法に変更があります。また、結果として定率法については毎年の償却額はかなりの増額となるはずです。
しかし、取得年月日により従来の償却方法の資産も残るために償却パターンが増えることとなり、資産の償却管理が今まで以上に複雑になってきました。


Q ゴルフ会員権の譲渡損の計上について


ゴルフ会員権の譲渡損については個人申告と違い、全額他の利益と通算が可能です。
また、預託金の返還請求に基づく一部切捨て部分も資産損失としての計上が可能な場合があります。これも個人申告の場合と異なる点になります。


Q 繰延資産に該当するものは?


会社設立時の登記費用などの創業費(一時に全額償却も可能)、事務所の権利金(5年またはその賃借期間などで償却)などが代表的な繰延資産です。商法上の繰延資産と税務上の繰延資産で扱いが異なりますのでご注意下さい。


Q 役員の借上げ社宅について


役員へ借上げ社宅を提供する方法があります。賃貸借契約を会社が行い会社が家賃を支払うわけですが、全くの無償貸付けでは給与課税の問題が出てきます。そこで家賃の概ね10%〜50%を役員から負担分として徴収すれば課税上の問題はクリアされます。そして差額の負担相当額は会社の実質経費とすることができますので節税となります。

 
 


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