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起業から2年間、消費税が免除される方法

2015/08/19

消費税は会社にとっての大きな負担です。特に起業したての場合、経営が安定するまでは「なるべく支払いたくない」というのが率直な気持ちでしょう。
今回は、起業から2年間、消費税の免税される方法についてご紹介します。

<目次>

資本金が1,000万円未満であれば、1年目は消費税が免除される

起業1年目に消費税が免除される方法は、スタートの資本金を1,000万円未満にすることです。
この条件を満たすだけで、起業して1期目は「免税事業者」になることができます。反対に、スタートの資本金が1,000万円以上になる場合は、第1期と第2期は消費税を納めなければなりません。ちなみに、消費税を納付する義務のある事業者を「課税事業者」といいます。
課税事業者の資本金判定は期首時点で行われるので、第1期途中で増資をして資本金が1,000万円以上になった場合、第1期は免税ですが、第2期は課税事業者となります。

それでは、「起業時に集めた出資額が1,000万円以上になってしまった場合、消費税は免除されないのか」というと、そういうわけでもありません。
ポイントは、「出資金の全額が資本金になるわけではない」ということです。会社法では、出資金の2分の1までは資本金に組み入れない(資本準備金とする)ことが認められています。たとえば、出資額が1,500万円である場合、資本準備金600万円、資本金900万円とすることができるため、免除を受けられるのです。

2年目も継続して消費税が免除されるための条件

平成23年に消費税法が改正されるまでは、資本金1,000万円未満という条件を満たすだけで起業2年目も免除されていました。
しかし現在は、資本金1,000万円未満であることに加え、「特定期間における課税売上高が1,000万円以下」もしくは「特定期間に支払う給与総額が1,000万円以下」という条件を満たす必要があります。ただし、いずれかを満たせば、もう一方の条件をクリアする必要はありません。
また、特定期間は法人と個人事業主で異なります。法人の場合は「事業を開始した日から6カ月」、個人の場合は「1月1日から6月30日まで」の期間を指します。

条件:特的期間における課税売上高が1,000万円以下

法人の特定期間である「事業を開始した日から6カ月」とは、つまり前事業年度の上半期ということです。この条件を満たすために考えられるのは「上半期の売上を下半期に移動させることができないか」という策ですが、売上の調整は簡単ではありません。
もう一方の条件「特定期間に支払う給与総額が1,000万円以下」をクリアするほうが現実的といえるかもしれません。

条件:特定期間に支払う給与総額が1,000万円以下

この条件を満たすためには、いくつかの方法があります。

給与の「支払日」で調整する

「特定期間に支払う給与総額が1,000万円以下」という条件でポイントとなるのが、「支払う」という点です。つまり、6カ月を終える時点で6カ月目の給与が未払いの場合、その分は含まれません。
たとえば、給与を月末締めの翌月払いにすると、特定期間6カ月の最後の1カ月分の給与を7カ月目に支払うことになるため、実質5カ月分の支払いだけで判断されることになります。

上半期の給与の一部を下半期の「ボーナス」で対応する

事業開始から6カ月に支払う給与総額が1,000万円を超えなければよいため、必ずしも上半期に支払う必要のない給与を下半期のボーナスに組み入れることで、支払い分を少なくすることができます。

給与ではなく外注費を検討する

給与に含まれるのは、役員報酬、社員の給与、アルバイトやパートの賃金、残業手当、賞与、退職金などです。当然、これらを外注費とすることはできません。 ただし、業務委託で支払うお金については、給与ではなく外注費とすることができます。「人手が足りないけれど消費税の免除は受けたい」という場合で、仕事が外注できるものならば、検討してみましょう。

課税売上高も支払う給与総額も1,000万円を超えそうな場合はどうすればいい?

起業1年目の事業年度が7カ月以下となるように設立日を調整すれば、特定期間の条件に当てはまらないため、課税売上高と支払った給与がそれぞれ1,000万円を超えたとしても消費税が免除されます。この場合、免税となるのは2年間ではなく、7カ月以下となった1期目と、2期目の事業期間ということになります。
ただし、1期目を短縮してまで2期目も消費税の免除を受ける必要があるのかについては、十分に検討する必要があるでしょう。

消費税の免除は必ずしも得とは限らない

業種にもよりますが、起業してから最初の数年は設備投資や仕入れにお金を多く使う事業者もあります。支払い過ぎた消費税は還付されるため、売上よりも仕入れのほうが大きくなるようであれば、消費税の納付を免除されないほうが得策になる場合もあるでしょう。

資本金が1,000万円を超える場合は免税されませんが、反対に、資本金1,000万円未満の事業者が消費税の課税事業者になることは可能です。
起業1年目から課税事業者になるためには「課税事業者選択届」の提出が必要になります。ただし、課税事業者選択届は1期の決算期末までに提出しなればなりません。つまり、消費税の免除を受けるほうがいいのか、納税して還付を受けるほうがいいのかを判断する決算書を作成する前に、免税事業者か課税事業者かを選択しなければならないということです。もし選択に迷いそうであれば、月次決算の実施をお薦めします。

いずれにせよ、起業からの2年間だけを見て消費税の免除を受けるか否かを考えるのではなく、3年目以降も想定したうで、自社に合った選択肢を取ることが重要といえます。

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