2022年4月から成年年齢引き下げ!相続・贈与時に気をつけるべき点は?

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法人税・相続税 申告お役立ちブログ

2022.07.14

相続

2022年4月から成年年齢引き下げ!相続・贈与時に気をつけるべき点は?【後編】~ご家族に未成年者がいる方は必見です!~

前編では、未成年者相続人がいる場合の遺産分割協議について書いていきました。ここからは、あえて未分割にする方法などについてご紹介していきたいと思います。

相続税を未分割申告した方がいい場合もある(条件付き)


前編で「未成年者の利益を保護するため遺産分割は基本的に法定相続分で分割することになる」と書きました。
法定相続分で分割する遺産分割協議案を裁判所に提出し、未成年者の特別代理人を選任し、遺産分割協議を成立させ、10か月以内に相続税の申告納付を行う、これが原則です。

ですが、これは子供の教育上の話になりますが、「未成年のうちに子供に多額の財産を渡すのは早すぎる」と考える親御さんだっていらっしゃると思います。たとえば1億円の財産があるお父さんが亡くなって、一人息子の高校生に財産の半分である5千万円を渡すことになるのを想像してみてください。ちょっと現実離れしていますよね。

ほかのやり方はないの?という方もいらっしゃるかと思いますので、以下の方法もご紹介しておきます。

①いったん未分割で相続税申告をしておき、子供が18歳になったタイミングで遺産分割協議を成立させる

この方法は相続税申告を2回すると思ってください。1回目を当初申告、2回目を修正申告もしくは更正の請求といいます。
順番に説明します。

(当初申告時)
・子供が未成年であるため、特別代理人をつけないと遺産分割協議を成立することができない。そのため相続財産を未分割として、相続開始後10か月以内に申告・納税をする。もちろん配偶者の税額軽減といった、遺産分割の成立を要件とする制度は当初申告では使えない。
・また、相続税申告書と一緒に「申告期限後3年以内の分割見込書」を忘れずに提出する。

(子供が成年になった)
子供が遺産分割協議に参加できるため、妻と子供が納得のいく形で相続財産の分割方法を定めた遺産分割協議を成立させ、修正申告や更正の請求書を提出する。

18歳になるまでは遺産分割協議に参加できませんが、18歳になった子は遺産分割協議に参加できます。そのタイミングで遺産分割協議を成立させ、妻と子供が納得のいく形で相続財産の分割方法を決めていく方法もあります。こうすることで、家族が納得できる形で遺産分割協議を成立させることができ、なおかつ当初申告で使えなかった配偶者の税額軽減といった制度も、修正申告・更正の請求時には適用可能となります。

②注意!上記手法が使えるのは成人年齢まで近い場合に限られる

最初に申し上げますが、子の年齢が相続税の申告期限から18歳になるまで3年以上かかる場合には、①の方法は使えないと思ってください。
遺産分割が3年を過ぎてもまとまらない場合には、『遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書』という、長いタイトルの書類を税務署に提出します。これはタイトル通り、「やむを得ない理由で3年以内に遺産分割がまとまりませんでした。遺産の分割後には配偶者の税額軽減などの軽減制度の適用を受けさせてくださいね」といったことを税務署に承認してもらうために提出する書類です。
ここがポイントなのですが、上記でいうやむを得ない理由というのは、訴訟・和解などの客観的な状況を指します。そのため、相続人の中に未成年者がいるという理由では、承認されない可能性が高いです。ですから①の方法が使えるのは、子の年齢が成人年齢まで近い場合に限られるのです。

やはり遺言書が有効です

ここまで未成年者相続人がいる場合の、遺産分割協議の注意点を申し上げました。
ところで、遺産分割の方法には遺産分割協議以外に、もう1つありましたよね。
それは、遺言です。
被相続人が、法的に有効な遺言書で財産の分け方を指定していれば、遺産分割協議書を作成する必要はありませんので、特別代理人の選任なども要らなくなるのです。

遺言書がない場合は遺産分割協議による分割方法になります。前編でも説明しましたが、未成年者は遺産分割協議に参加できないため、特別代理人を選任する必要があります。特別代理人選任のため家庭裁判所へ申し立てすることは、想像以上に時間と労力がかかります。遺産分割が整わないと名義変更もできませんしお金を引き出せない事態が数か月続くこともありますので、残された遺族が本当に困ることになります。妻と未成年の1人息子が残されたケースを考えますと、夫に先立たれた悲しみの中、未成年の子を育てなければいけないプレッシャーを抱えながら、家庭裁判所の申し立てなど慣れない手続きを色々進めなければいけない事態に陥ってしまうことになります。控えめに申し上げて、これは凄く大変です。
残された家族に大変な思いをさせたくないという方は、遺言書を作成しておくことをお勧めします。もちろん遺言書の書き方には法的に有効な要件があるため注意が必要ですが、一生に1度しか作成できないわけではありません。何度書き換えてもいいのです。
税理士としては公正証書遺言をお勧めしますが、最近では法務局での自筆証書遺言保管制度もありますので、そちらを利用されるのも一手です。ご家族のため、保険の意味で、法的に有効な遺言書を作成するのはいかがでしょうか。

まとめ

ここまで、相続人に未成年者がいる場合の注意点や対策などを書いていきました。未成年者がいる方は働き盛りの年齢の人が多く、まだまだ相続なんて考える年齢じゃないよ、と考えていらっしゃる方が大半かと思います。ですが、万が一のことがあったときに困るのは、残されたご家族です。家族のためにいまできることを、1年に1回でいいので遺言書というカタチに残していく、もしくは見直してみるのはいかがでしょう。

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